3DCADソフトの紹介
		SOLIDWORKS (ソリッドワークス)
ソリッドワークスの利点
- 世界中の多種多様な業界でシェアが高い
 - 国内でもユーザ数や採用している企業が多い
 - マニュアルや書籍も多く、講習会も開催されているので習得しやすい
 - CAD支援や解析、CAM・金型、データ管理などの数多くの製品に対応している
 - 豊富な機能を搭載しているにもかかわらず低価格である
 
考慮する点
- ある程度のWindowsに関する知識が必要である
 - パソコンの処理速度に動作が左右されるためハイスペック構成のマシンが必要
 - ファイルサイズが大きいため、データの受け渡し方法や保存場所を考慮する必要がある
 - 物理現象を工学的に捉えることができ、それを応用するための知識とスキルが必要
 - 作り手によって設計スキルの差が出やすい
 
CreoParametric (クリオ パラメトリック)
クリオの利点
- 試作が減るためコスト削減になる
 - 工業デザインから生産製造設計まで幅広く対応可能
 - 部品を製作し組み立てることがソフトの中で出来る
 - 講習会や書籍で習得できる環境が豊富にある
 - サーフェスモデリング、ソリッドモデリングの両方に対応可能
 
考慮する点
- ソフトの操作が非常に複雑なため独学で身に着けることが容易ではない
 - ソフトがほとんど自動検証してくれるので実物の現象を自分で考えるスキルが低くなる
 - ソフト本体や特にアドオン用のソフトが非常に高額であるため個人での導入が難しい
 
AutoCAD ( オートキャド)
オートキャドの利点
- 世界中で使われているのでデータ共有がしやすい
 - CAD以外のファイルを参照し、データを取り込むことができる
 - 高機能なので作図方法の選択肢が多く、精密な図面が作図できる
 - 拡張性が高くアドオンソフトやプラグインと連動も可能
 - ipad ProとApple Pencilに対応している
 
考慮する点
- 画面を見ただけでは直感的に作図できない
 - ソフトの操作を覚えるのにも作図するのにも時間がかかる
 - 設定や画面構成が複雑でわかりにくい
 - データ容量が重いので共有手段を選ぶ
 - 多機能かつ高機能なだけにユーザ側のスキルがないとソフトを使いこなせない
 
CATIA ( キャティア)
キャティアの利点
- 世界中の多種多様な業界でシェアが高い
 - V5からwindowsに準拠した操作画面になり、初心者でもUIに馴染みやすい
 - 部品を製作し組み立てることがソフトの中で出来る
 - 部品同士に干渉がないか、検査や解析がソフト上でできる
 - 履歴編集が可能である
 - サーフェスモデリング、ソリッドモデリングの両方に対応可能
 
考慮する点
- ソフトの操作が非常に複雑なため独学で身に着けることが容易ではない
 - マニュアルや書籍も少なく技術を習得する機会が限られている
 - ソフト本体や特にアドオン用のソフトが非常に高額であるため個人での導入が難しい
 
NX (エヌエックス)
エヌエックスの利点
- 3Dだけでなく2D機能も充実している
 - 3Dプリンタへの連携もスムーズにできる
 - ユーザー独自のルールで自動チェックが可能
 - シンクロナスモデリングとパラメトリックモデリングの両方で作業が可能
 - 大規模アセンブリにも対応
 
考慮する点
- 2Dモデルを作成する以上に3Dモデルを入力ための工数がかかる
 - CAD自体の操作が難解で複雑である。
 - 使用するコマンドが多く覚えるまでが大変
 
Inventor (インベンター)
インベンターの利点
- アセンブリ(組立品)から部品表を自動生成できる
 - 2Dスケッチから機能や形状などを決めることが可能
 - 板金設計機能やプラスチック部品設計機能が装備されている
 - インポートした点情報を繋げてスプラインを作成できるので曲線を表現しやすい
 - DWGファイルの図形を直接読み込むことができる
 
考慮する点
- 別売りのアプリケーションが少ないため拡張しにくい
 - 参考書や関連本が少ないため技術を習得しにくい
 - Windowsとの統合性が弱いため、検索インデックス作成やタグ認識がしづらい
 - 曲面の作成機能が弱く、思うままに複雑な表現がしにくい
 - 3Dモデルを回転させたりする際、操作性があまりよくない
 
Fusion 360 (フュージョン360)
フュージョン360の利点
- スタートアップ企業、趣味で使う個人や愛好家なら実質永久無料
 - クラウドベースなのでネット環境さえあればどこでも起動できる
 - 専用URLを教えるだけでデータの共有が簡単にできる
 - 1つのデータをチームで同時に共有利用できる
 - ユーザーの要望を数週間ごとに取り入れアップデートが行なわれる
 
考慮する点
- インターネットがない環境では使うことができない
 - 2Dの製図機能が若干乏しく、他の3DCGソフトと同レベルでは実現できないことも多い
 - データが全体が重くなるとモデルの編集がスムーズにできない場合がある
 
Vectorworks (ベクターワークス)
ベクターワークスの利点
- 直感的な操作で簡単に使える
 - 2次元と3次元を連動させながら同時に作図できる
 - 1本のソフト平面図から3Dパース、提案書まで作成できる
 - Adobe製品と連動できる、デザイン性の高いCADである
 
考慮する点
- ドローイングソフトに近いので点情報などの精度が曖昧
 - 3Dのレンダリング(作成した立体物に色や陰影を付ける作業)に時間がかかる
 - 他のCADソフトとの互換性が低くデータの共有に手間がかかる
 - AutoCADと比べると全体的にシェアが低い
 
ArchiCAD (アーキキャド)
アーキキャドの利点
- Mac OSにも対応しているので世界中の建築業界でシェアが高い
 - 国内でも古くからのユーザ数や採用している企業が多い
 - とっつきやすいUIで直感的にソフトの操作を覚えやすい
 - ユーザーからの要望を反映しているので使い勝手が良い
 - 豊富な機能を搭載しているにもかかわらず比較的低価格である
 
考慮する点
- パソコンの処理速度に動作が左右されるためハイスペックのPCが必要
 - ファイルサイズが大きいため、データの受け渡し方法や保存場所を考慮する必要がある
 - Revitと比べソフトの自由度が高い分、ある程度の建築知識や読図スキルが必要
 - 作り手によって設計スキルの差が出やすい
 
Revit (レヴィット)
レヴィットの利点
- 3Dビューにより誰でも一目で図面が分かりやすい
 - 実物のように建物を確認できるのでプランが立てやすい
 - 修正する際にデータが連動するので時間と手間がかかりにくい
 - はじめから3Dとして制作するので相手にイメージを伝えやすく合意を得やすい
 
考慮する点
- CADとして見たとき、AutoCADに比べ製図機能が少ない
 - 2D図面として断面を切り出す際、融通が利きにくく図面としての表現がしにくい
 - 他のCADへエクスポートする際、データが崩れたりするので綺麗に書き出しにくい
 - 2D図面としての表現力が乏しく、詳細図までは対応が難しい場合がある
 - 部品(ファミリ)や3Dモデリングに時間と手間がかかる
 - ソフトウェアの操作に技術と知識が必要で、比較的難易度が高い
 
IJCAD (アイジェイキャド)
アイジェイキャドの利点
- AutoCADの1/3の価格で同様の機能が使用でき、Jw_cadとの互換性もある
 - AutoCADで設定した作図環境をそのまま移行できる
 - ソフトのレスポンスが早くフリーズしにくい
 - 永久ライセンスなので永続的に使用できる
 - 国内メーカーなのでサポートが万全に受けられる
 
考慮する点
- BIMに対応していない
 - 3次元機能は基本的なもののみであまり多く搭載していない
 - 低価格グレードのLTでは使用できる機能が基本的なものに限られている
 - すべての機能を使用したい場合はグレードをPROにする必要がある
 
Corel CAD (コーレルキャド)
コーレルキャドの利点
- インターフェースがAutoCADと似ているためとっつきやすい
 - DWGファイルを扱えるため他CADソフトとの互換性も抜群
 - 直感的な操作のみで3Dモデルを作成できる
 - Excelとも互換性がありCSVファイルをインポート可能
 - 3Dマウスにも対応している
 
考慮する点
- AutoCADと似てはいるが操作性が若干異なるため練習が必要
 - ユーザー数が少ないため情報共有がしにくい
 - 説明書はあるが日本語の詳しいマニュアルがない
 
ARES (アレス)
アレスの利点
- AutoCADやjw_cadとの互換性が高い
 - 無償の専用アプリ「JTools」を入れるとJWWファイルを直接読み込める
 - LISPなどカスタマイズ言語を使うことができる
 - インターネット環境がなくても使用できる
 - 低価格ながらハイエンドCAD同様の機能を搭載している
 
考慮する点
- DWGファイル互換CADだがAutoCADのUIとは大きく異なる
 - 3D機能の操作性がスムーズにいかない場合がある
 - ユーザー数が少ないため情報共有がしにくい
 
Rebro (レブロ)
レブロの利点
- 設備業界でのユーザ数が多い
 - とっつきやすいUIで直感的にソフトの操作を覚えやすい
 - ハイスペックのパソコンでなくてもストレスなく操作が可能
 - メーカー主催のセミナーが開催されているため習得しやすい
 
考慮する点
- 部材情報を正確に登録しないと3Dデータとして誤りが生じる
 - 専門分野に特化したCADなので汎用CADのように融通が利かない
 - 作り手によって設計スキルの差が出やすい
 
CADWe’ll Tfas (キャドウィル ティーファス)
キャドウィル ティーファスの利点
- 3Dビューにより誰でも一目で図面が分かりやすい
 - 部材の位置変更が簡単にできその場で3Dとして確認できる
 - 修正する際にデータが連動するため効率よく作業ができる
 - ドラッグ&ドロップなどの直感的に操作できる
 - AutoCAD、Revitとのデータ互換がある
 
考慮する点
- 専門分野に特化したCADなので汎用CADのように融通が利かない
 - 3Dデータを扱うためハイスペックなパソコンが必要である
 - 部材情報を正確に登録しないとデータに誤りが生じる
 
3DCAD=3次元CAD 種類と価格の違い
| ハイエンドCAD | 中でも一番機能が高いため価格も非常に高額で、グラフィック性能の高い3Dモデルや、複雑な設計を必要とする分野で採用されています。 | 
| ミッドレンジCAD | 比較的低価格でソフトの操作も簡単ですが、精度の高い機能はハイエンドCADのようには期待できません。しかし設計においては、ハイエンドCADに劣らない機能を持ち合わせているため、ユーザー数や採用企業が多いのも特徴です。 | 
| ローエンドCAD | フリーソフトを含む低価格の製品を指し、実務での設計には不十分である場合が多いようです。 | 
これら3つの大きな違いは「高機能が搭載されているかどうか」です。
これらの理由から、大手企業はハイエンドCAD、中小企業ではミッドレンジCADが使われている傾向にあります。





