樹脂製のケース嵌合

 

部品同士を組み合わせるとき、ネジで止めたり接着材で固定しますが、フックとフックのかかる形状をそれぞれの部品につけて、そのフックの変形を利用して、部品同士を固定する方法です。

主に使用されているのは、プラスチック製ケースを組合せる場合、それぞれの周囲に爪と孔を配置し、爪が孔にパチっとはいることで、部品同士が固定されます。 身近では、ポーチやデイバッグなどのバックルや、ネジを使わず電池交換が出来る家電製品の蓋など、幅広く利用されています。

それ以外でも、テレビやエアコンのリモコンでは、簡単な形状で部品点数が少なく、かつ分解の必要がないので、外から見ても良く分かりませんが、ケース同士の組み合わせに使われています。 これらは、分解してほしくない、落としても不意に外れてほしくないので、再分離が出来ない構造にしています。

この様な構造は、分解用の道具を差し込める隙間や、フックを外す穴が無いので再分離が出来ないことから、は嵌(は)め殺しとも呼ばれます。 スナップフィットは、フックの変形を利用して部品同士を固定する為、確実にフックが掛かり、かつフックが掛かる途中や、落とした衝撃で折れたりしない形状にする必要があります。 その為、フックの形状や相手側の穴の配置など設計経験やノウハウが必要となります。 また最近はCAE解析でフックの形状適正化も行われるようになりました。



樹脂製のケース嵌合

樹脂製のケース嵌合。ケース周囲に爪と孔を配置し、爪に孔が入り嵌合します。オール樹脂製・ネジレスで固定が可能なため組立が簡単で内部の空間が自由に活用できるため省スペースな設計になっています。組立を人件費の安い国で行う場合や製品を再度バラす必要がある場合はネジ止めを検討するなど、量産体制を見据えた構造で製品設計を行います。



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